痰壷(たんつぼ)の話 その1

 僕が子どもの頃に、「痰壷(たんつぼ)の話」という都市伝説がありました。

 ある豪邸に忍び込んだ泥棒が、空腹のあまりある豪奢な壷のなかにあった汁を戴いてしまったが、それは実は「痰壷」であったという話。
 
 痰壷という器の、所在なげな存在感が結構大事なのかもしれません。

 牛なんかは随時胃袋から戻してもぐもぐやっていますし、一度飲み込んだものを子にやる鳥も多いように思います。
 犬に米を大量に食わせて焼いて食べる料理もあるとか。胃の中で酸味を帯びた米が美味なのだそうです。
 
 偏見さえ取り除けば、胃から出たものは結構いい食べ物なのかもしれません。なにしろ半分消化されているので胃にやさしいし(混じっている胃酸は口腔や食道にはキツそうですが)。

 吐瀉物も、美麗な器に盛って改めて煮込んだら、それなりになってしまうのかもしれません。

 こういうものと一緒にするのは失礼かもしれませんが、タイ料理で最初びっくりしたのが、その体臭っぽさでした。
 なんとなくカニバリズムの感じがあるように思いました。これが結構癖になってしまうのです。肉食以上にセクシーな味と香りだと思います。
 ゲロ類にももしかしたらそういう可能性が・・・・(絶対試す気にはなりませんが)


 病気のときの啖というのも嫌だ。気管の奥の方からぜろぜろいう咳とともに這い上がってくると、ある地点で唐突にむうとした嫌な匂いを放つ。
 時にはやたらと甘い匂い、というかほとんど味のようなものを携えて上がってくることもある。
 この甘みが気持ち悪い。どこかおいしい、と感じている自分がいるのも、とても嫌である。

 啖というのは妙なもので、口から出てしまうまでは、改めて飲み下してしまうことができるものだが、一度吐いてしまうと、二度と口にはしたくないという種類のものである。
 
 子どもの頃、鼻水をすすっているうちに満腹になってしまったことがあったが、あれもいったん丼に受けてからだったらとても飲み下せなかったろう。
 
                                              (その2 に、つづく)


投稿者: 高野 五韻


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1 Comments

Anthony

こんなコメントがありました!

投稿者:赤城忠次2007/3/18 10:38
じゅるるるる~っつ


投稿者:nao 2007/3/17 14:56
タウさん、スネークマンショーはウォークマンで聴いたらヤバいです。


投稿者:tau_neutrino2007/3/16 20:32
”少年が取り出したのは、一本のストローであった。少年は屈み込んだ。そして、そっとそのストローを口にくわえた・・・・・”
(「たんつぼ小僧」より)

タウ・ニュートリノも黄色魔術からは抜け出せない身なので、スネークマンを連想してしまいます(笑)。

あのネタをイヤホンで聴くと、背筋がゾク~~っとくる。


投稿者:ザンビア河野2007/3/16 16:42
おっと、とうとう高野さんも登場ですか。

昔の料亭にはうがい器なるものがありましたね。二段式になっていて上が茶碗風で下が灰皿風でした。茶碗風の蓋をとり、ガラガラとはいかないまでもクチュクチュやって下の灰皿風にペッとはきいれる。なんとも無粋なことを全員でやるんですからやりきれない風景です。あれを洗う人もいたんでしょうね、気の毒に。

http://sky.zero.ad.jp/toku/zambia/


投稿者:Anthony2007/3/16 0:38
Y.M.O世代は、タンツボ小僧をイメージしてしまいますね。


投稿者:ilia2007/3/15 22:46
いっ、伊武雅刀... たいした役者になったなぁ~w
シミジミ(大爆)

http://black.ap.teacup.com/ilia/


投稿者:be-free2007/3/15 22:08
それってスネークマンショーの
タンツボ小僧じゃないですかぁ~(≧∇≦)/

詳しくはAnthonyさんが知っています(^^)

http://blue.ap.teacup.com/be-free/


  • 2007/06/25 (Mon) 09:18
  • EDIT