その34 奉物
- CATEGORYMenu:38 「食べる」という事 ~美し国を取り戻す為に~
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昼食にチェダー・チーズ一枚と「カゴメ野菜生活100」を頂く。
小学生の頃、母から「牛乳は噛むようにして飲め」と教育を受けた記憶が蘇ってきた。
現在の私は正に「噛むように」ジュースを口にしているのである。なるほど教育とは経験してみないと判らないものだ。
空腹であるが故に、無意識にジュースを噛んでいるのであろう。つまり断食二日目の本能により啖齣(たんしゃく)する事によってブドウ糖が体内に発生する事を身体が知っているのだ。
つくづく人間とは不思議な生き物だ。
そして帰宅後はザッと入浴を済ませ夕食の準備にとりかかる。今夜はかなり贅沢にザルソバといってみよう。
昆布と鰹で出汁を取りしょうゆ、みりん、酒で味を調える。蕎麦は信州産の無添加の蕎麦を一束。滋味だ。本当に滋味だ。
自分で作ったつゆの風味もさることながら「蕎麦」が口の中で絡み合うのだ!
鼻に蕎麦の風味が駆け抜け、歯茎に山の芋がねっとりと絡みつき、そしてワサビの風味が惜し気無く食道へと導いてくれるのだ。正に滋味!
私は過去に信濃大町の生蕎麦を喫煙していた頃、頂いた事がある。その時に感じた美味しさと断食中の一束の蕎麦は天と地の違いがあるのだ。
げに恐ろしきタバコ!
ひとしきり食事を楽しみ毎月のお家賃を支払いに大家さん宅へ。八十歳を越えるお母様としばしの談笑。
そこでたまたま戦争中の話で貴重なお話しを聞かせていただいた。
戦中などは大人も子供も関係無しに冬を越すために松根(しょうこん、松の根)を掘り起こし燃料にしたと言う。
そしてお年玉の袋には勝ち栗とスルメだけが入っていたのだ。それを当時の子供達は喜んでしゃぶりつくしていたと言う。
話を聞いて涙が溢れきた。
翻って我が国の子供を取り巻く現状はどうか?
マスコミは「今年のお年玉の平均収入は、、、」などと煽り、大人達は争って大枚をポチ袋に入れ、挙げ句は大手マスコミのスポンサーである大手企業の売り上げに「毎度おおきに」である。
これではまるでテレビを媒介とした「子供」を利用するマネーロンダリングではないか?!
私は別に豊かな日本を批判している訳では無い。子供達に与える「お年玉」が百円では駄目なのか、千円では駄目なのか、勝ち栗やスルメでは何故に駄目なのか、どうしても一万円でなければならないのか、疑問を呈しているのである。
最後にたまたま、本日(一月四日付)の産經新聞「正論」欄にて、作家の曽野綾子氏が子供達への年賀状として6つの提言をされていたので、その一つ目を引用させていただきます。
「ある日曜日に、朝飯と昼飯を抜いてみてください。もちろんご両親にちゃんと言ってそうするのよ。つまり半断食。でもお水だけはちゃんと飲んでください。なぜそんなことをするかというと、世界中に、今日もご飯をまともに食べていない子供が何億といるからです。ご飯を食べないとすぐ死にそうなことを言う大人もいますが、そんなことはありません。人間死ぬまで食べないでいるには長い時間がかかります。あなたたちは、うちにもどこにも食べるものがないということがどんなに辛いか、それで初めてわかります。」
投稿者: Nao
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