第三十五幕 ナショナル・トレジャー リンカーン暗殺者の日記
前作のヒットを受けて製作された「ナショナル・トレジャー」の続編です。
第1作で結ばれたベン・ゲイツ(ニコラス・ケイジ)とアビゲイル・チェイス(ダイアン・クルーガー)は別居していました。
リンカーンを暗殺したジョン・ウィクルス・ブース。
ブースの所持していた日記が、リンカーン暗殺前後、数ページに渡って破れ取られていました。(史実です。)
ブースの日記が数ページに渡って破れ取られたのは、ゲイツ家の元祖、トーマス・ゲイツが、ブース等から依頼された、ブースの日記に書かれている、黄金都市シボラの財宝のありかを示す暗号が解かれることで、南部奴隷制の利益拡大を図る秘密結社、ゴールデン・サークル騎士団による財宝発見を阻止しようと、暗号部分を破り取り、暖炉に放ったためでした。(映画でのお話です)。
スミソニアン博物館でのゲイツ親子による講演。そこで、ベン・ゲイツは誇らしく、先祖がゴールデン・サークル騎士団による財宝発見を阻止したと発表します。
しかし、講演後の質問に立った、ウィルキンソン(エド・ハリス)は、ウィルキンソン家に残された、正真正銘のブースの日記の一部を示し、リンカーン暗殺一味の中にトーマス・ゲイツの名があり、トーマス・ゲイツが首謀者として記載されていると公表するのでした。
前作、テンプル騎士団が残した財宝を発見し、トレジャー・ハンターとして一躍名を上げたゲイツの名声は一気に地に墜ちます。
ベン・ゲイツは、一家の名誉挽回のため、ウィルキンソンが公開したブースの日記にかすかに写り残っていたシボラの財宝を示す暗号を見つけ、再び財宝探しの謎解きに立ち向かうのでした。
財宝の手がかりを追って、パリ・ロンドン・ワシントンとめまぐるしく舞台を駆けめぐり、ベン・ゲイツ、アビゲイル・チェイス、ライリー・プール(ジャスティン・バーサ)のトレジャー・ハンタートリオは、またもや、オルメカの財宝の眠る地に辿り着くのですが、今回用意された謎解き博識の質は決して前作を凌ぐ内容ではありません。
代わりに、今回、映画の中心に据えられたものは、名誉、です。
ゲイツにとって、大統領誘拐という大犯罪を決意してまで守るべきもの、それがゲイツ家の名誉でした。
周到に準備をし、首尾良く一人大統領を連れ出した時、ゲイツが、大統領だけが知っている秘密文書の閲覧を懇願するときに大統領に説く大統領としてのあり方、考え方、これが映画のポイントです。
リンカーン大統領は、それまで「州」の寄せ集めの集合体だったアメリカ合衆国を、一つの「国」とした大統領でした。
この映画のラスト、最後まで見ていくと、クレジットにかぶって、あの有名な「government of the people, by the people, for the people」がある、リンカーンのゲティスバーグ演説のリンカーン直筆の文字が光って浮かび上がります。
ベン・ゲイツが頑として固執するゲイツ家の名誉挽回の姿を通して、アメリカの名誉ある姿を暗に問うた「ナショナル・トレジャー リンカーン暗殺者の日記」、楽しめます。
投稿者: 今井 政幸
→ 『ナショナル・トレジャー リンカーン暗殺者の日記』公式サイト
劇場に足を運ぶ前に、前作や関連商品もチェック!
「Amazon.co.jp」 では、前作の特別版DVDを¥1350の特別価格で販売中!
前作のサントラCDも注目!作曲・演奏は元イエスのギタリストであり、映画『アルマゲドン』などの音楽も手がけてきたトレヴァー・ラビンによるもの。
[人気blogランキング] ←クリック投票に協力して下さいませっ!
- 関連記事
-
-
別館 第一幕 ジェシー・ジェームズの暗殺 2008/01/13
-
第三十六幕 ルイスと未来泥棒 2008/01/09
-
第三十五幕 ナショナル・トレジャー リンカーン暗殺者の日記 2007/12/26
-
第三十四幕 恋空 2007/12/19
-
第三十三幕 椿三十郎 2007/12/12
-


