第28回 スチーム産業

 産業革命において、イギリスを始めとする白人社会は富みに富みました。

 なにしろ、今まで人力や家畜のエネルギーで動かしていた力を石炭を掘る労力だけで、代替出来るのですから。

 彼らは石炭を掘って掘って、掘り尽くしました。それでも足りない石炭は、石炭を利用して得るエネルギーによって弱者の土地を奪い取り、新たに石炭を掘り続けました。

 その為に人間社会にとって、富める者は栄養過多によって死ぬほど富み、また貧しき者は飢えて死ぬ、どっちに転んでも不幸になるしんどい社会が出来上がりました。

 そんなしんどい社会は、長続きする訳がありません。やがて石炭は底をつき、近代産業は終末を迎える時がやって来ました。

 しかし、時に人間とは、そして地球とは、残酷な生き物です。石炭産業が終末を終え、「果てしなき農産時代」がよみがえると、誰もが信じました。

 しかしながら、人類とは愚かな生き物です。石炭を掘り尽くし、新たなエネルギーとして「石油」を発見してしまいました。

 石油は、今まで人類が経験した事の無いパワーを発揮しました。と言うか、現代社会では無くてはならない存在へと、進化しました。

 なにしろ、単なるエネルギーである石油の為に「戦争」を作りだしたのですから。

 そして時は経て、「石油が枯渇するうんぬんのニュース」と同時に「食べ物を機械エネルギー化する」ってな、訳のわからない議論が蔓延してます。


 次回は、バイオ燃料について考えてみたいと思います。



投稿者: Nao






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コメント 1

There are no comments yet.
雑草Z
2007/12/01 (Sat) 03:16

地下資源は埋めたままに・・・

 産業革命が始まった頃、「打ちこわし運動」など、機械化に反対する人も沢山いたみたいですね。みんながみんな、素晴らしいと飛びついた訳ではなくて、きっと恐ろしい未来を想像して、石炭も石油も使いたくなかった人も結構多かったのではないでしょうか?でも、石炭、石油を掘って金持ちになった連中が権力を握り、それに従わざるを得ない状況が慢性化して、便利さに慣れてしまったのでしょうね。
 
 大豆やとうもろこしは、やはり『食べ物』でしょう。そのエネルギーは、人間が食べて活動のエネルギーに使ったほうが、バイオマスよりずっと効率的です。
 世界のエネルギー政策はへんな愚策が溢れていますね。

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