蜂窩織炎 (ほうかしきえん) に罹っちまったい! _ 3 緊急入院

Photo by Masayuki Imai 撮影場所:横浜市 磯子区 某所 磯子山荘のデブ猫タールの横顔
だいぶ待たされてから案内されたのは7階の病棟だった。
ナースセンター前で、身長と体重の測定を。
162センチ、74キロ。 典型的なメタボだ。
人はわたすを三段腹と呼ぶ。
さらに、2年前から、HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー) の数値が6.8もあって、数ヶ月前から、横浜市から請け負っている糖尿病改善指導士から、マンツーマンで、レクチャーを受けていた。
投稿者: 今井 政幸



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→ 「蜂窩織炎 (ほうかしきえん) に罹っちまったい! _ 2 糖尿病を舐めんなよ!」(Anthony's CAFE 2023/01/30)
塩分の摂取を控えること、梅干し・漬物はダメとかの指導を受けていた。
が、とりわけ、痩せるようにと言われて、実は、体重74キロの数値も、これでも、当初の78キロからダイエットに成功した成果だった。
そのダイエットの無理が祟って、免疫がなくなり、今回の始末となったかと思ったほどだ。
褒めてもらいたい。(笑)
個室ではない病室は、4人部屋で、ベッドは壁の中央に向けて斜めに置かれてて、菱形を作っていた。
わたすは、手前左のベッドをあてがわれ、頼んだ有料のパジャマに着替えた。
病室に入る前に、着替えの下着も申し込むかと問われたが、病院には、コンビニが24時間開いてるので、そこでまかなうことに。
これから、いつまで入院してなきゃならないのか検討がつかない。 入院費用もそれなりに嵩むだろうから、買った方が安上がりだい。
ベッドに入って、スタンバイすると、いま、どんなクスリを飲んでいるかと問われ、持参のクスリ手帳をさし出した。
アレルギーは大丈夫かとの確認が入り、一連の質問に答えて、確認作業が終わり、すぐに、右手の手の甲の静脈に、点滴のための針がさされた。
以後、朝・昼・晩の3回の抗生物質の点滴が毎日続いた。
ベッドに入っても、熱っぽいし、ざわざわ音がするし、夕飯も無かったりで、落ち着かない。
それに、わたすは 脊柱管狭窄 で、腰が痛い。
病室にはドアがなくて、寒い夜風?の冷気が入ってくる。
ドアが無いなんて!なんでだ? とても、寝付けない。
たまらず、病室を出て、ナースセンターで、いっとう近い自販機の場所を訊いて、よたよた歩いて、りんごジュースを買って来た。
これが、体力のないわたすが出来る精一杯のやれることだった。

翌朝、朝食前に、わたすは病室を抜けて、1階の24時間やってるコンビニで、替えの下着や、いっとう肝心の携帯の電源ケーブルを入手した。
携帯が使えない事が一番辛い。笑
なにかとまずいという病院食だが、、、、 みなと赤十字病院の病院食は、うんまい。
退院時に、お昼の食事の後からの退院も可能と言われ、すぐに帰る気持ちが、ちとぐらついた。
朝食が済むと、本格的な治療?で、まず、患部の左足の、現状証拠写真が撮影された。
ついでに、わたすの携帯にも撮影してもらった。
それが、前回の連載での写真だ。
クスリを塗ったガーゼが患部にあてがわれ、包帯を巻かれる。
投薬はなく、小一時間くらいの抗生物質の点滴がはじまる。
事前に、治療にあたるさいの同意書 「入院診療計画書」 にサインを求められた。
その時にはよく見えなくて分からなかった病名は、退院時にこの書類を返してもらって確認出来た。
病名:左下腿蜂窩織炎。
症状:左下肢発赤腫張。
治療計画:抗生剤点滴。
「蜂窩織炎」 がどんなものかは、平凡社の『世界大百科事典』に、簡潔で的確に、叙述されていた。 横浜市港南図書館で、見つけた。
ほうかしきえん→ほうそうえん
ほうそうえん 蜂巣炎 phlegmon
蜂巣織炎、蜂窠ほうか織炎、フレグモーネともいう。
組織の密度が疎な部分(皮下組織、筋肉と筋肉の間、頸部など)に起こる急性の化膿性炎症で、主としてブドウ球菌や連鎖球菌が原因菌となる。
代表的なものに、虫さされの傷から細菌が侵入して起こる皮下蜂巣炎がある。局所には境界不鮮明な発赤とはれ、むくみが起こり、熱感と圧痛が著しい。炎症は急速に進行し、疼痛は拍動性で、悪寒や震えを伴った高熱が出現する。
さらに進むと、局所は軟化して膿瘍を形成する。炎症が軽度の場合には、膿瘍を形成せず自然吸収されてしまう。
しかし膿瘍形成に至ったら、自然に破れて膿が出るか、切開して排膿するかしないと治癒しない。
細菌の毒性が強烈であったり、患者の抵抗力が低下しているときは、さらに重篤な症状となる。
治療は、局所の安静、冷却、全身的な抗生物質の投与を行い、膿瘍があれば切開排膿する。
嫌気性菌による蜂巣炎では、組織の腐敗とガスの産生がみられ、ガス壊疽えそと呼ばれる。
わたすの場合、膿が破れ出てしまったので、軽症じゃないが、逆に、手術して膿をだすこともなかったというのだった。
こうして、入院生活が始まったが、熱があるので、ドアが無く、開けっ放しで、冷気が入り込んで来る病室が寒くて辛い。
大部屋で、他の者の立てる騒音?も気になって、落ち着かない。
どうしてドアがないのかを問うたら、高齢者が倒れた時、異変の物音がスタッフの誰にでも聞こえるようにの配慮だと言う。
なるほど。 って、感心する訳がない。
ただでさえ眠れないのに、寒さで、眠れないじゃないか。 寒さ対策に、もう一枚布団をと頼んだ。
受け取った布団をかけたら、胸が押しつぶされて苦しい!
これじゃ、死ぬ!と考えた末の出した結論が、個室への転居だった。
(つづく)
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