雨中の蝉 (短歌)
しがみ付く夜 電柱の
庵祖兄
何度も豪雨とも呼べる雨が続いた。
いい加減にしてくれよ! そう、叫びたいくらいの雨だ。
お盆の間、その前後に、こんなに雨が続くなんて記憶に無い。
洗濯ものが貯まるいっぽうだし、なんだかカビっぽい。 それに第一、長い間、直射日光を見ていない。
鬱傾向というか、鬱気味、というか、、、 ハッキリと鬱だということを自認できる。
そんな時、雨音に混じって、ジージーという物音?というか、これは蝉の声だ。
蝉がよく鳴いている公園からは離れているし、裏手にあるマンションの空き地からでもないし、、、
もう夜の10時は過ぎているし、、、、 気になって、傘を差して表に出ると、向かいの工場の電柱に何匹かの蝉がしがみ付いて鳴いている。
何年か前の秋、夜の公園で街燈の強い明かりで昼と間違えたのか、季節外れの蝉が鳴いていたのを、哀れだと思ったことがあるけれど、そんなのと比べられないくらいの切なさだ。
やかましいくらいに鳴き続ける雨中の蝉よ! 頑張れ、って言いたいよ。
僕も頑張るか、、、、
投稿者: Anthony
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