ホゲタラポーン
コメントを下さる方は、分かったか分からなかったかを最初に書いていただければ嬉しいです。
昭和のアニメの主題歌をYoutubeで色々聴いてみました。
記憶にある歌、ない歌 ・・・ 今改めて聴くと、昭和のアニメの主題歌は、アレンジの凝った素敵な曲が沢山ありました。
その中でも歌詞も含めて 『どろろ』 の主題歌が傑出して素晴らしいと感じるのは私だけでしょうか?
<どろろの歌>
どろろ-OP (YouTube 動画)
調べてみると、子供の頃私が大好きだった 『どろろ』 は、視聴率が悪く、途中から、子供受けするように 『どろろと百鬼丸』 と改題されたけれど、それでも流行らず、半年で打ち切りになったそうです。 残念なことでした。
『どろろ』 はアニメ自体も大好きでしたが、主題歌は、面白い歌詞が印象的で、哀愁を帯びたサビにも魅せられてよく歌っていました。
歌詞は出だしからへんてこりんな歌詞でした。シュールで今聴いても斬新です。
その時代の支配者階級であった武士・侍の欺瞞をおちょくって歌っているのでしょう。
いつの時代も支配者層には 「ホゲタラ」 が多いんでしょう。
投稿者: 雑草Z



作曲・編曲は、冨田勲。 シンセサイザーを使った大御所の作曲家です。
アレンジには和楽器の鼓や笛を取り入れて、「和」 「時代劇」 の味を醸し出しています。間奏も御神楽を想起するアレンジです。
彼は、手塚治虫のアニメの主題歌をはじめ、数々の素晴らしい楽曲を作っています。
作詞は 鈴木良武 ・・初めて目にした名前でしたが、調べたらTVアニメの脚本家でした。
「どろろアニメ」 の後期 『どろろと百鬼丸』 の監督でもありました。彼のこの斬新な歌詞があってこそ、この主題歌が素晴らしいのです。
逆に、この斬新な歌詞も、冨田勲の作曲とアレンジがなければ、埋もれてしまったことでしょう。
そして歌が 藤田淑子 ・・これまた知らない名前でしたけれど、調べると声優・女優・歌手とありました。
日本の、元祖的女性声優兼アニソン歌手だったのでしょう。(このあたりの解説は、Amthony編集長にお任せします。)
彼女の歌がまた凄くハマります。 「ヘーラヘラ」 を鼻にかかった歌い方で 「ヘンラヘラ」 と歌った後に、「青く果てない空の下・・・」 と、美しく哀愁を帯びたサビの歌詞を歌い上げます。
それにうっとりと聞き入っていると、突然 「とぼけちゃいけねぇ知ってるぜぃ!・・」 って、べらんべぇ調になって、更に、「ホゲタラだ」 の 「だ」 をかなり強く、がなりたてるように発音します。 それらがツボって聞き惚れてしまいます。
「どろろの歌」 こそ、作詞家と作曲家と歌手の作り出した 「奇跡の化学反応」 っていう表現が相応しい曲だと思います。
背景の農民一揆などのアニメ動画とも呼応して、独特の世界観を醸し出しています。
いつの間にか 「ホゲホゲタラタラ・・・」 と口ずさんでしまう、私が一等好きなアニメの主題歌です。
<どろろと百鬼丸> になってからのオープニングとエンディング
Dororo: Opening and Ending (YouTube 動画)
→ https://www.youtube.com/watch?v=eg20mkAOkA4
演奏も歌も全く同じものが使われていますが、背景のアニメ動画が変わっています。
TV放送では、2番は省略してありますが、2番の歌詞も絶妙です。 2番と歌詞付きで聴きたい方はこちらもどうぞ
藤田淑子「どろろのうた」 (YouTube 動画)
→ https://www.youtube.com/watch?v=o-C9t8oZD6o&t=9s
[1番]
ホゲホゲ タラタラ ホゲタラポン
ホゲホゲ タラタラ ホゲタラピイ
ポケポケ ざむらい ヘーラヘラ
トロトロ ざむらい ヘーラヘラ
ヘロヘロ ざむらい ヘンラヘラ
メロメロ ざむらい ヘーラヘラ
(サビ)
赤い夕日に 照り映えて
燃えるよろいに 燃える馬
天下めざして 突き進む
とぼけちゃいけねえ 知ってるぜぃ
お前らみんな ホゲタラだ
ホゲホゲ タラタラ ホゲタラポーン
[3番]
ホゲホゲ タラタラ ホゲタラポン
ホゲホゲ タラタラ ホゲタラピイ
プニョプニョ ホゲタラ ヘーラヘラ
ホンキャホンキャ ホゲタラ ヘーラヘラ
ビョロビョロ ホゲタラ ヘンラヘラ
ヘロヘロ ホゲタラ ヘンラヘラ
(サビ)
青く果てない 空の下
いばらの道を 踏み越えて
これも世のため 人のため
とぼけちゃいけねえ 知ってるぜぃ
お前らみんな ホゲタラだ
ホゲホゲ タラタラ ホゲタラポーン
百鬼丸の歌もありました。 初めて聴きました。
百鬼丸の歌 (YouTube 動画)
→ https://www.youtube.com/watch?v=CDaz4Ek2uQU
こちらも作曲は 冨田勲ですが、TV放送では使われなかったようです。
演歌風ですが、いい感じの曲なので、エンディングに使ってもよかったんじゃないかと思います。
余談ですが、大人になってから、東京の紀伊國屋書店で 「どろろの歌」 を含むアニメソング4曲入りEPレコードを見付けて、懐かしくて嬉しくて購入しました。
「どろろの歌」 だけパン(左右のスピーカーの音量バランス)を振ったりして何度もテープに録音して聴きました。
このレコードの他の3曲は、1回くらいずつは聴いたかと思いますが、何のアニメのテーマソングが入っていたかは覚えていません。(笑)
[編集長-ひとこと]
アニメの主題歌は、アニメのストーリー、内容にもよりますが、声優さんが歌うのが理想といわれています。
今でこそ、声優さんがアニソン歌手を兼ねるってことも当たり前になっていますが、、、 声質や人物の年齢・性別、いろんなことがりますが、声の演技力と歌唱力を二つとも持っている人というのは少ない。
『どろろ』 の主人公を演じているのは、『キャンディ♡キャンディ』 で有名な 松島みのり 。 活発な少女や少年の役どころが多い。
で、松島みのりに歌わせればいいかといえば、歌手としての活動はしていないし、「どろろの歌」 のサビの部分を艶のある声で歌えるかというと、無理がある。
そこで、少年の声で定評のある声優で、アニメ歌手でもある藤田淑子の登場。
この人は 『一休さん』 や 『トム&ジェリー』 のジェリーの声で有名で、『一休さん』 では、エンデイング曲や挿入曲も歌っているし、ねえムーミン♬で始まる 『ムーミン』 の歌も歌っている。 少し、鼻にかかったような色気というか艶のある声質。
後年 『キャッツ♥アイ』 や 『シティーハンター』 で、セクシー系美女の役を多くこなしているのもわかる。
「どろろは実は男の子じゃなくて女の子だった」 という設定からしても、この艶のある声質はピッタリだと思う。
ちなみに、彼女は 『パタリロ!』 では少女のように見える美少年(同性愛者)マライヒの役をやっていたけれど、役柄にピッタリだった。(笑)
そして、楽曲の方に話題というか、移ろうとすると、、、 作編曲の冨田勲や 『どろろ』 と同じ手塚アニメでこれも作編曲を手がけた 『リボンの騎士』 へと拡がっていくし、そこで主人公の女の子なのに男の子の心を持って生まれたサファイヤの声を演じた 太田淑子 と藤田淑子の名前がよく似ていて、よく間違えてしまうって、、、 かなり拡がりまくってしまうので、このへんにしておきます。
で、「ほげたら」 なんですが、いったいどういう意味だと思いますか?
「どろろの歌」 歌詞の内容や歌い方からして、「他人を馬鹿にしている」 ような感じがしますよね。 語感も。
僕は、子供の頃から、この歌に馴染んでいたせいもあるし、割と違和感がありませんでした。
なぜかというと、大阪弁、特に河内弁に 「ほげた」(頰桁)という言葉があるからです。 意味は 「口抗え」(くちごたえ)。
「ほげたをたたく」( 口ごたえをする)って感じで使います。 奈良の方では「ほげたあく」っていう感じに使うそうですが。
「われ、ほげたが達者なやっちゃのう」(あなたは口ごたえが上手ですね)と、使います。
手塚治虫が大阪出身だということで、その意味で使っていたと思っていました。
しっかし、「ほげたら」 は、「呆け」( ほうけている、ぼけている)に 「垂ら(れ)」(名詞に続けて付けて)人を悪く表現する使い方なのだと考え直しました。
「呆け垂れ」(ほうけたれ) は、 「バカタレ」 「アホンダラ」 の意味なのだと・・・
今まで、わからなかった僕が 「ほげたら」 だった、ポン!
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