映画 『ジョーカー』

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映画 『ジョーカー』 ポスター


先週見てきました。バットマンの宿敵である悪役ジョーカーの誕生を独自の解釈で描いた映画です。


 世界中で大ヒットしているそうですが、大いに理解できます。今年度を代表する一本になる映画でしょう。


 控えめに言っても傑作です。(笑)  絶対おすすめ! 皆さん是非見てください!

 1960年~70年代にかけて盛んに作られた反体制的で暴力的な映画、いわゆる 「アメリカン・ニューシネマ」 の香りがプンプンする作品です。

 その 「アメリカン・ニューシネマ」 の傑作 『タクシー・ドライバー』 で主人公を演じた ロバート・デ・ニーロ が重要な役柄で出演しているのはご愛敬でしょうか?(笑)





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舞台は、バットマンでおなじみのゴッサムシティ。


 そこで社会問題となっている格差・貧富の差は、現代のわれわれの世の中を反映しているかのようだ・・・・


 映画は、大道芸人のアーサー (ジョーカー) の虚無でつらくい日々を積み重ねていく・・・・・

 極度に緊張すると笑いが止まらなくなる精神障害を持っているアーサー、その泣きながら笑っているような病的な表情に心が痛む!  

 衝動的な殺人事件を起こし心の中に秘めた何かがはじけ、日常のすべてから解放された後の階段でのダンスシーンは、映画史に残る名シーンでしょう! いつまでも心に残ります。

 なんでもロケに使われたこの階段には、ファンが押しかけて写真や動画を撮りまくっているそうです。

 やれやれ聖地になっていますね。(笑)





映画 『ジョーカー』 予告2  (YouTube 動画)



予告編です。

 なんと、アーサー (ジョーカー) と少年時代のバットマン (ブルース) が出会うシーンもあります。


 なんか、ほのぼのとしましたね。(笑)




 → 映画 『ジョーカー』 公式サイト





Rock and roll - Gary Glitter - Joker baile escaleras  (YouTube 動画)



映画史に残るであろう、階段でのダンスシーンに使われている曲は、なんと、極悪人・狂人のグラムロッカー、ゲイリー・グリッター の 『ロックンロール PART 2』 でした。

 いやー、これには心底驚かされました。 でも、よく考えると狂人と化したジョーカーには、ぴったりフィットした曲です。(笑)

 ちなみに、ゲイリー・グリッターは、児童売春、児童への性的虐待で繰り返し逮捕されている狂人です。やれやれ(笑)


 この階段でのダンスシーンは、いつまでも心に残ります。

 忘れがたいです。





GARY GLITTER ROCK & ROLL PART 1 & 2   (YouTube 動画)



ゲイリー・グリッター 『ロックンロール PART 1・PART 2』


 1970年代、極悪人のゲイリー・グリッターでしたが、そこそこ人気はありました。

 もちろん、デヴィッド・ボウイT・レックスマーク・ボラン ほどではなかったですが・・・・(笑)






White room - cream - Joker baile  (YouTube 動画)



ラスト近く、燃えるゴッサムシティ。


 ジョーカーがパトカーで連行されるシーンに流れるのは、クリーム の名曲 『ホワイト・ルーム』 でした。


 いゃー、これには驚きました。まさに、ジョーカーの心情をあらわしているかのような歌詞です。さすがだと思いました。素晴らしいです。


駅の近くの白い部屋

黒いカーテンがかかってる

黒い屋根の街並みの

うらぶれた田舎町

そこにいるムクドリも

本当に疲れ切ってる

お前の黒い瞳の中の

輝いてる月の光を

銀色の馬が駆けてった

出て行くお前のその上に

夜明けの光が差している

本当にいい眺めだよ


日の光の入ってこない

この場所で待ってるよ

影さえも消えて見えなくなるような

そんな場所で待ち続けるよ


 クリームは、エリック・クラプトン(G.Vo)、ジャク・ブルース(Bs.Vo)、ジンジャー・ベイカー(Ds) のスリーピースバンドで、結成は1966年。 活動期間は わずか2年半でしたが、ロック史に残るスーパーバンドです。











投稿者: 霧島

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コメント 10

There are no comments yet.
雑草Z
2019/11/17 (Sun) 21:35

これは面白そうですね!

霧島さん

前衛的な匂いがプンプンしますね!反体制的というのもいいですね。
バッドマンと言うと、ちょっと幼稚な感じもしますが、それはあくまでモチーフで、独自解釈ということですね?
格差、貧富の差が、現代の我々の世界の社会問題を反映しているという部分も興味があります。
リンクの動画は、一通り全部観させて頂きました。
最後のWhiteroom は、記憶以上に、こんなにワウワウ効いてたっけ?って感じたほど、ワウワウが効いていて、耳に残り、癖になりそうです。

霧島
2019/11/17 (Sun) 22:22

雑草Z さん、どうもです。

そうです。バットマンの映画や原作のアメコミにはない独自の解釈ですね。
殺人犯アーサーへの共感や同情を誘い、凶悪犯ジョーカーになるのは同然だー!と
思わせる、心憎いストーリーです。(笑)

宮崎の勤
2019/11/18 (Mon) 16:09

俺のHNからくるイメージの人物(笑)と肩を並べるぐらいのロリ嗜好変態ゲイリー・グリッター。
でも、ドンドコ太鼓ドラムと脳にズキズキくるギターはいいぞ!

霧島
2019/11/19 (Tue) 09:04

宮崎の勤さん、どうもです。

映画が大ヒットしたおかげで、ゲイリー・グリッターに
映画会社から多額の金が支払われるようですね。
一部の識者から批判が出てるとか。やれやれ!(笑)

☘雑草Z☘
2022/08/18 (Thu) 18:10

映画評はあまり読まないもので・・

映画 『ジョーカー』の事はここでしか読んだ事はありませんでした。
山上徹也君の、銃撃のきっかけの一つ、文字通り「引き金」となった映画との記事を読んだので、ここんところフィクションにはあんまり興味がない私ですが、改めまして、どんな映画か観てみたいと思いました。

霧島
2022/08/19 (Fri) 10:38

>雑草Zさん

そうでしたか。わたくしは映画館で2回、「ぽすれん(レンタル)」で1回観ました。
『ジョーカー』は、R指定にもかかわらず高い評価を受けた映画で興業収入
も抜群でした。アカデミー賞では11部門にノミネートされ主演男優賞も
受賞しました。でも、一部の人からは「『ジョーカー』は社会に害をもたらす
危険な映画だ!」なんて言われました。確かに、アメリカでも日本でも『ジョーカー』
に触発された犯罪が起きましたね。全く困ったもんです!

☘雑草Z☘
2022/08/19 (Fri) 21:20

この記事で霧島さんが言及していた、

>「アメリカン・ニューシネマ」 の傑作 『タクシー・ドライバー』

は、昔、テレビでやってるのを途中から観ただけでしたが、引き込まれて観た記憶があります。
『タクシー・ドライバー』と『ジョーカー』は、進んだ方向は違っても、かなり似てるんじゃないでしょうか?
『タクシー・ドライバー』の主人公は、当初、大統領候補を狙ってた「危険人物」だったけれど、結果的に、いわゆる「ワル」を射殺して少女を救い出し、ヒーローに祭り上げられるストーリーでした。
同じ孤独で薄幸な主人公が、ジョーカーになるか、そのジョーカーを射殺するヒーローになるかは紙一重かもです。

霧島
2022/08/19 (Fri) 21:53

>雑草Zさん

わたくしも『タクシー・ドライバー』には強烈に引き込まれましたね。
おっしゃる通り、『タクシー・ドライバー』と『ジョーカー』は似てます。
あと、同じマーティン・スコセッシ監督の『ミーン・ストリート』にも似てます。
『ジョーカー』は、この二つの映画の影響をかなり受けてますね。

いやー、それにしても『タクシー・ドライバー』のロバート・デ・ニーロの
モヒカン刈りは圧倒的に素晴らしいです!!(笑)

☘雑草Z☘
2022/08/21 (Sun) 01:39

孤独で心が病むと、

モヒカンになる傾向があるのでしょうか?
もうかなり昔の(20世紀の)事なのでゆめかうつつか記憶も曖昧なのですが、
名前か顔くらいだけ知ってた奴が、突然モヒカンになった記憶があります。ちょっといじめられっ子的な不思議ちゃんだったような記憶です。
その後彼は、何かと不便なモヒカンを解消する為に、刈り上げて坊主頭になった記憶です。
モヒカンからの回復方法は、坊主が一番手っ取り早いのでしょう(笑)
モヒカン刈りは今でもアバンギャルドなんでしょうか。?

関係ないけど、アメリカのモヒカン族にはシンパシーを感じます。



霧島
2022/08/21 (Sun) 18:45

>雑草Zさん

モヒカン刈りは、勝手に人生に絶望して狂気に走る人の決意表明
じゃないでしょうか?(笑) 
わたくし的には、スキーモーグルのモヒカン小林とかパンクの
モヒカン刈りがいいですね!

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