首相 と マスコミ (ショート・ストーリー)

国会に向かう総理大臣にマスコミが殺到した。


「総理、このたびの一連の不祥事についてどう思われますか?」


 総理大臣は無言で歩を進める。

「総理には任命責任があるはずですが? 総理、何かおっしゃってください」

「……」

「自分が任命した大臣が収賄をやらかしたのに、ダンマリはないだろ。あんた、それでも総理か!」

 総理大臣は立ち止まって言った。












投稿者:クロノイチ

「アイム、ソウリ」

 マスコミがどよめく。

「総理が謝罪したぞ」

「なんて珍しい」

 総理大臣は続けてこう言った。

「事件につきましては捜査が進展しましてから、然るべき対応を取りたいと思います。こちらでも本人から事情を聴取いたしますので、結論はもうしばらくお待ちください。それはさておきまして、国民の皆様にはまことに申し訳ございませんと深くお詫びを申し上げる次第であります」

「おお、総理が頭を下げた」

「なんて シュショウ な態度なんだ」

「ところで、当の大臣の会見の予定はどうなってるんですか? 体調不良で入院とのことですが」

「体調が悪いのは事実です。会見は当面見送りということで、代わりに私が聴取の内容を包み隠さず発表いたします」

「会見を開かないなんて、おかしいですよ。当の大臣が自ら出てきて弁明すべきだ」

 その声に対し、総理大臣はゆっくりと答えた。

「いや、私が責任を持って聴取いたしますので、お任せください。大臣の話では、『不整脈がひどく、会見は無理だ。 シンゾウにコタえる 』 とのことです」

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