後悔先に立たず (ショート・ストーリー)

「後悔先に立たず」 という言葉がある。


 当然だ。後で悔やむから後悔なのだ。


 では、もし、仮に時空の法則をねじ曲げて後悔を先に立てることができたとしたら、どうなるのだろう。

 幸せになれるのだろうか。











投稿者:クロノイチ


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「あーあ、とうとう運命の分かれ道にきちゃったよ。ここで右の道を選択すれば、無事に町へ着くんだよな。で、左に行ったら橋が落ちて俺が川に流される、と。 ── 右の道を選んでおきゃよかったな。いやな予感がしてたんだよホントに。くそ、失敗した。あーあ、俺はなんてダメな奴なんだ」

「でも、俺、結局、左の道を行かなきゃならないんだよね。後悔するという事実は先行して確定しているわけで、現に今あんなふうに後悔してしまった以上、それを成り立たせるための行動は変えられない。 ── 仕方ない。行くか」

「うわあー。やっぱリこうなるかー!」

「まあ、自分が選んだ道だし仕方ないな。後悔はさっきしてしまったから、今はただ諦めだけがあるなあ」

 
 後悔が先に立っても、あんまりいいことないみたいです。

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