金属 八句 (俳句)

廃線の レールの上に 蟻遊ぶ

山楝蛇 鉄塔登る 怠惰の日

幼子や バトン回して 木の蔭に

タンク群 煙り飲み干し 昼寝する

梅雨晴れや ナイフ握って 筆削り

淀川の 鉄条網に 蔦の這う

トタン屋根 雨弾く音 今昔

錨上げ イカ釣り船の 灯り舞う












投稿者: 光太郎

(初出:2005/06/04)

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コメント 1

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Anthony
2015/06/01 (Mon) 23:54

旧ブログでの初回掲載時には、こんなコメントをいただいておりました。

英泉 2005/6/4 14:22

 光太郎さん、廃線の…の句に感動しました。

 蟻を見つめる視線の優しさは、少年の日の光太郎さんの目でしょうか、それとも…。

 いずれにしても、情景がくっきりと浮かび上がる、すばらしい描写力、すごい! 付け加えると、僕には、梅雨の晴れ間の昼下がりに、麦わら帽子をかぶり、蝶を追ってきた少年が、廃線の鉄路をまたぎかけて、ふと蟻を目にして立ち止まり、しゃがんでいる情景がみえました。


Anthony 2005/6/4 14:38

 ミステリー作家スティーブンキングの少年時代を描いた映画『スタンド・バイ・ミー』の鉄橋のシーンではなくて、廃線になったJR山陰線の武田尾あたりの情景が見えてきます。


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