八重水仙 (詩)

Photo by Asagimadara
凍えた分だけ 重ね着をする
あなたが生まれてくるの
ずっと待っていたんだよ
八重咲きは
セロファンよりも 優しき調べ
つたない華奢な
扇子のようなその隙間より
顔を覗かせる 幼い光よ
すがしい春を歌う
小鳥のさえずり
それから
溢れていく しあわせよ
目覚めよと 呼ぶ声がする
あの彼方
空の彼方に 君がいる
一枚ずつ
その衣を脱ぎ捨てるように
花咲く君が そこにいる
房咲きは 微笑に似ている
今日もひとつ
明日もひとつ
遥かなるその口笛に
希望の光をありがとう
*桜もやっと満開になったけど、水仙もまた満開ですにゃ~*
投稿者: 浅葱斑
(初出:2008/04/20 )
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