山吹の道 (詩)

Photo by Asagimadara
延々と続いていく
どれひとつとして同じもののない若草色
萌える樹木のトンネルを潜って
鳶の声に導かれて
雪解け水は 竜山川
万延に湛えながらせせらぎが進んでいく
麗しきものは輝き
来たよ
来たよ
今年も
わたしの胸の中にある
角を失ったその星
ほんの少しの時間の中で
頭を垂れて
しっとりと香ってくるのだ
冬の厳しさに痛んだものが
やたら上を目指して登ってくる
山吹の光を頂に
汗をかきながら列を作るよ
さあ 歩こう
さあ 歩こう
この細い道
生命の息吹を確かめに
山吹を追いかけて
生まれ変わるために
登っていこう
投稿者: 浅葱斑
(初出:2008/04/04 )
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