つぎはぎ の こころ (詩)

Photo by Asagimadara
水の中に張り出した
薄い氷を手にとって
パリンと割ってみる
割れた切り口はささくれ立ち
削ぎおとりたばかりの刃が光る
真ん中が皿のように薄い
つぎはぎだらけの 切ない心
割れて手のひら
残った氷は隙間をぬって
手の平から零れ落ちる
両側から
氷解していくわたしがいる
うつろい気味な今朝の寒さ
四季咲きでもないのは
あの浅黄色のバラの花
こまい粒の鏡を持って頭をたれ
ため息をつく
ちょっとだけ 寂しいね
投稿者: 浅葱斑
(初出:2005/12/29 )
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