その84 秋味

松茸

 この秋の時期に車で地方を走っていて、よく目にするのが「朝採り松茸 三本千円」だの「国産松茸 大安売り」だのと言った個人観光客向けの騙しの商法である。

 これは非常に情けないと言うか何と言うか残念な気持ちでいっぱいである。

 ここで私が体験した松茸の相場について考察してみよう。高額食品にして旬の食材であるので、購入時の参考にしていただければ幸いである。

 まずは → 別項(「私たちは世界一幸せな島国に住んでいる」第20回 松茸は何故に食卓から消えたのか?)でも述べたように、今日、赤松林は入札制度において管理されている。

 さて気になる入札金額であるが、私が生活していた村で一番大きく立派な赤松林で(年によって異なるが)およそ1シーズン八百万円から一千二百万円が相場だと聞いた。

 それほどの価格で採れる松茸なので、地元のホテルや民宿などの買い取り価格もかなりの値段で「壷」と呼ばれる傘の開いていない見た目も立派な松茸で、100gあたりおよそ六千円から一万二千円。「バレ」と呼ばれる傘の開いた足の細い松茸で、同じく100gあたりおよそ三千円から五千円といったところであろうか。

 もちろん上記の値段は正規ルートの上物で、個人入札についてはこの限りでは無い。

 とは言え、個人入札もかなりのリスクを伴っていて、私の知人の方なんかも一度四百万円で入札し、採れた松茸がたったの六本なんて嘘のような笑えない話もあるので、自然とは時に残酷だなと記憶の片隅にとどめている。

 さらに松茸の場合に厄介なのが「虫食い」の存在だ。

 これこそが本当に困った話で見た目は立派な松茸でも、縦に割いてみたら虫に喰われてしまって中身はスカスカな商品も存在する。

 これは実際に指でつまんで軽く握れば「フワフワ」と弾力が無いので、触ればすぐに分かるのだが中々どうして、業者側も痛むのを理由に触らせないのも鉄則であるようだ。

 つまり結論を言えば、よほどの信用出来るルートが無い限り国産松茸を安値で食べるのは不可能だとの現実だ。

 ただこう言えば身も蓋もないので安くて美味しい松茸の楽しみ方を
ご紹介します。と言っても簡単な鍋料理です。

 まずはスーパーで適当な安値のキノコ類を買い込みます。椎茸、シメジ、舞茸、ナメコなどなど。そこに少し贅沢してカナダ産あたりの松茸も購入します。

 あとは昆布で出汁を取り醤油と味醂で味を付け「キノコだけの鍋」をご賞味下さい。これが何とも美味しい。

 この場合に野菜は不要です。純粋にキノコだけでご賞味下さい。後は旨味が濃縮された出汁で豚シャブや魚チリを楽しんでいただければ尚よ
いでしょう。

 観光の季節で地元の「ブナシメジ」や「スッポン茸」や「鍋の蓋」や「ネズミアシ」なんて名前はおどろおどろしいが、とても美味しいキノコがてんこ盛りの季節です。

 決して自分で採る事なく購入していただけるようにお願いいたします。(この季節は必ず中毒患者が続出するゆえ)




投稿者: Nao


[人気blogランキング] ←クリック投票に協力して下さいませっ!
関連記事



にほんブログ村 その他趣味ブログ 多趣味へ ← クリック投票に協力を! 編集部・執筆陣のやる気がUPします!

1 Comments

tanoken

松茸?俺は何度しか食べたことないし、子供の時からそんなに好きじゃなかった。
値段が高騰すれば嫌いな食べ物でも価値観が出たり、食べたら美味しく感じるのかな?
人間はバカな生き物ですね


  • 2007/10/09 (Tue) 20:26