第四幕 スパイダーマン3

「スパイダーマン3」は「マスク」のパロディだわね。

 それが身につくと、パワーが増し、怒りや憎しみや、抑制心がなくなって思う存分やりたい放題。
 ブラックスーツ身につけたら、気持ちはるんるん、女の子にももて放題、とくればこりゃ、あの「マスク」のパロディってことでしょう。

 今回登場のサンドマン、ブラック液体生命体、コミック原作に登場するキャラクターが映画に使われているのですが、だから、そのキャラたちが自在に活躍する下地には、「マスク」や「ハムナプトラ/失われた砂漠の都」といった他の映画のイメージが色濃く連想されてしまう。(サンドマンが疾走する地下鉄に押しつけられて擦られていくシーンはあの「ターミネーター2」のT-1000ですが、ジェームズ・キャメロンによるスパイダーマン映画化の話があって、そのとき、キャメロンが敵役にあげたのがサンドマンだった。)

 「マスク」がマスクたる所以は、北欧の神オーディンの末っ子「災いの神ロキ」の持ち物ということなのですが、今回のブラック液状生命体も、映画好きには「ハムナプトラ」が連想されるサンドマンにもその神的、霊的、魔術的色合いは、故意にか、隠されてしまっている。
 だから、思い切って、補助線として、神的、霊的、魔術的色合いを持ち出し引くと、映画の内容の奥行きがより深まって見えてきて、ブラック液状生命体の弱点、サンドマンの瓦解のわけが理解できてしまう。

 さて、その精神性とも言うべき一番の圧倒シーンは、スパイダーマンことピーター・パーカーがメリー・ジェーン・ワトソンにプロポーズすべく誘ったフレンチレストランのシーン。
 こここそが、「マスク」や「ハムナプトラ」から神的、霊的、魔術的色合いを(わざと)消した作者が仕掛けた最大のトラップというべきシーンです。
 このフレンチレストランでは、客に、あろうことかフランス語で話すことを強要してしまう。レストランはニューヨークにあるというのに。

 「異文化」が厳然として存在するという事実、その存在理由を主張せんがためのフレンチレストランのシーン。
 そして異文化への理解と共存を説いたところというべきこの場面。この高度な精神性は、三賢人ともいえる、ピーターにワトソンとの賢明な道を歩むようさとす叔母さん、嫌がらせ行為を素直にワトソンに詫びるグウェン、ワトソンとの結びつきを素直に喜んでくれるアパート管理人の娘。
 
 そんな彼らの賢明さと統合して、まるで、あの忌まわしい9.11の悲劇をも「許せ」と教えてるかのようにメッセージを発しているでしょうか。

 ハリウッドの「良心」が、ちらりと顔を出した「スパイダーマン3」 見事です。


投稿者: 今井 政幸


→「スパイダーマン3」公式サイト


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1 Comments

Anthony

こんなコメントがありました!

投稿者:TAKA_1 2007/5/11 4:17
う~ん、実際に映画【スパイダーマン3】を観てみたら分かるのような気がします(^^;。

http://7hp.jp/?id=taka1


投稿者:ねこげんき。2007/5/10 17:40
ともあれ、サムライミはイケメンが嫌い。って、コトだけは、よ~く、わかった!!


投稿者:nao2007/5/9 13:08
僕はスパイダーマンは観ていないのですが、他の映画でもサム・ライミ監督はちょくちょくパロディ色を入れてますね。


投稿者:ルドルフ2007/5/9 11:51
>「スパイダーマン3」は「マスク」のパロディだわね。

たしかに、そうですね。


  • 2007/06/22 (Fri) 03:14
  • EDIT