その82 豊米

そろそろ店先にも「新米」のラベルが貼られた米袋が並びはじめ、いよいよ本格的な食欲の秋の到来です。
また、今年の夏は猛暑でしたので、こんな年は果物も糖度を増して当り年ですので、もう少し我慢して水分と甘味がたっぷりの梨やら柿やら葡萄などの太陽の恵みを食していただきたいと、切に願います。
毎年の事ながら、たっぷりと脂ののった秋刀魚や塩鯖をおかずに茶碗に盛られたご飯を食べ尽くし、炊飯器の横で食べている母に向って「おかわり!」と左腕を突出していた子供の頃を秋風と共に思い出したりもします。
そんな食事の中で、いつも思い出すのが、『「米」と言う字は、お百姓さんの八十八の手をかけてお膳に並ぶのがご飯だから残さずに全部食べなさい。一粒でも残したらバチが当る』としつこく言われた事です。
もちろん、子供の頃の事ですので「何を馬鹿な」と心の中では思っていたのですが、私自身、やがて成人し、社会に出てからも思うのが、や
はり食べ物に対する感謝の念です。
これは理屈では無く、食べる前には手を合わせて「いただきます」食べた後にはやはり手を合わせて「ごちそうさまでした」とせねば、人間として物凄く罪悪感を感じるのです。
現在、我が国においては、見た目は裕福で食料が有り余っている状態である。
しかしながら、その内実は餓死寸前の病人に注射を打っているようなものである。
野菜をはじめ、食料に対する危機感を政治家や官僚は本当に理解しているのだろうか。
うすら寒い気がして仕方ない。
投稿者: Nao
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