その80 渇望

 九月に入りまだまだ暑い日々が続いていますが、この時期は夏の陽射しの疲れが一気に出て来ますので、睡眠と休憩をたくさんとっていただいて、来るべき「食欲の秋」に向って体調管理のほどをお願いします。

 そして夏の終りに、とある人気ブログを拝見して →「英霊に一杯の水を捧ぐ/博士の独り言-07.07.09」感銘をうけたので小稿でも考えてみたいと思います。

 皆さまもご存じのように人は皆、「水」なくしては生きていけない。

 否、人に限らす全ての生き物は「水」なくしては生命の存在を脅かされる。

 別項でもアフリカの「マリ共和国」について論じましたが今回は「水」と「戦争」について考察してみます。

 まずは広島、長崎の原爆投下に関して恥かしながら詩を書いてみました。

「ある日ある場所で/Anthony's CAFE 文化部(ギャラリー)07.08.09」

 絶対に許されない兵器。何もかも無に帰す悪魔の兵器。これについては皆さま、ご存じだと思いますのでこれ以上は書きません。

 次に私が思うのが「アーロン収容所」です。不幸にも英国軍の捕虜になった日本兵はヘリコプターで川の州(す)へと運ばれます。

 州と言っても小さな島ほどある州です。そこに運ばれた日本兵には食事は与えられません。

 もちろん川の真ん中なので水は飲めますが食べ物がありません。ただし川蟹は豊富にいるのですが日本語で書かれた看板にはこうあります。

「この州の蟹を決して生で食べてはいけない」と。

 しかしながら火をおこすすべも無く空腹に耐えかねて一人、また一人と生の川蟹を食べます。

 結果、アメーバ赤痢を患い血便と嘔吐を続け、脱水症状の末、最期の力で川べりまでたどり着き、川の水を飲み終えると安心して息絶えます。

 そして最後の日本兵が死ぬのを望遠鏡で観察するイギリス兵は上官にこう報告します。

「日本語で看板に蟹を食べてはいけないと書いてあるのに食べて死んだ。日本人は衛生管理においていちぢるしく劣っている。」と。

 そして最後は「硫黄島」です。これについては冒頭のリンクを是非とも読んでいただきたい。

 兵士、および一般市民の犠牲者の喉の渇きはいかばかりか。読者の皆さまにお願いします。

 思い出した時でかまわないです。心の中で、戦争犠牲者の方々に一杯の水を捧げて下さい。



投稿者: Nao


[編集長-補足]

 イタリア・ルネサンス研究や日本文化論に多くの著作を残している 故・会田 雄次(元・京都大学人文科学研究所教授)氏はビルマ(現・ミャンマー)戦線に従軍した際、英国軍の捕虜となり、1947年に復員するまでラングーン(現・ヤンゴン)のアーロン収容所で拘留されました。

 その捕虜体験を基にして著された『アーロン収容所』『アーロン収容所再訪』(共に中央公論社-中公文庫 刊)は、英国人が日本人を人間以下(家畜同然)として扱っていたことをユーモラスにまた、悲哀を重ねた文章で克明に記されています。

 興味のある方は、ご一読を。




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