第六十三幕 ダークナイト

クリストファー・ノーラン監督によるバットマンシリーズの二作目です。
悪のはびこる街、ゴッサム・シティ。
映画は、冒頭、銀行強盗で幕をあけます。
手際よく銀行に押し入り、金庫の金を収奪する強盗グループ。しかし、彼らの間に異変が起きます。
「仲間の数が減ったらそれだけ分け前が増える。」 主犯者からひそかに吹き込まれていたこのささやきで、犯人達は次々に仲間を殺していきます。
最後に生き残った、マスクをとった男が、ジョーカー(ヒース・レジャー)でした。
そんな悪の街に、新任の地方検事ハービー・デント(アーロン・エッカート)が着任します。
彼は、かつてバットマン(クリスチャン・ベール)の恋人レイチェル・ドーズ(マギー・ギレンホール)と組んで、マフィア撲滅に意欲を燃やします。
バットマンとジム・ゴードン警部補(ゲイリー・オールドマン)は、ひそかに、紙幣につけた印から、マフィアが利用するマネーロンダリングの銀行を突き止め、マフィアの資金を絶ちます。
バットマンにいきり立つマフィアの前に現れたのがジョーカーでした。
マフィアの全資金の半分を条件に、バットマンを殺す、と宣言するのですが、ジョーカーのもくろみは、正義を標榜する高潔の人間を否定し、彼らにもきっとあるはずの、醜い汚れた悪の心を目覚めさせようとするものでした。
正体を明かさなければ、毎日市民を殺す。
ジョーカーは、市長や検事や警察らを標的とした殺人予告で、バットマンを追い詰めていきます。
巨大企業の会長ブルース・ウィンことバットマンが、正体をあかそうとした記者会見で、バットマンと名乗り出たのは地方検事ハービーでした。
捕らえられたハービーが護送されるなか、ジョーカーは、護送車を急襲します。
が、現れたバットマンがハービーの前に立ちはだかります。
あえなくジョーカーが正義の軍門にくだるやに見えるのですが、それは、周到に張り巡らされたジョーカーの罠のほんの始まりでした。・・・・。
両親を犯罪で失い、悪の撲滅ため立ち上がったバットマンの悪を憎むかたくなな姿勢は、逆に、より巨大な悪をよびよせるのでした。
そんなジレンマをすでに承知し、執事のアルフレッド(マイケル・ケイン)は忠告してきましたし、巨悪と戦うために、アンフェアな行為にはしるバットマンのあり方を元恋人のレイチェルはきびしく糾弾します。
技術開発でバットマンをサポートするルーシャス・フォックス(モーガン・フリーマン)ですら、ジョーカーの居場所を割り出すための、市内の全通信網の傍受を諫めます。
バットマンは、正義の人の行為として許されざる一線を越えてまで、ジョーカーに立ち向かいます。
暗黒の騎士、ダークナイト。
バットマンが得た称号は、正義をまっとうしながらも、ハービーの得る称号、ホワイトナイト(光の騎士)ほどに輝かしいものではありません。
「深淵をのぞく時、深淵もまたこちらをのぞいているのだ. 怪物と戦う者は、その過程で自分自身も怪物になることのないように気をつけなくてはならない。」
ホワイトナイトとダークナイト。
ジョーカーの仕掛けた罠が、善悪のジレンマをわたしたちに突きつけるとき、バットマンの新たな決意がはじまります。
ヒース・レジャーの熱演が光る、映画『ダークナイト』。 渋い作品です。
投稿者: 今井 政幸
→ 『ダークナイト』 公式サイト
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