その103 溶解
今回発覚した不正は、手を付けていない残り物を使い回ししていたとの事であるが、現在の日本は何故に残り物を持ち帰り出来ないのか?
と言う現実である。ヨーロッパでは(アメリカだったか)残り物を詰める容器を「ドギー・バッグ」と呼び、その名の通り飼い犬へのお土産とする所以(ゆえん)らしいが、私が温泉旅館に勤めていた頃の経験から食べ残しについて。
会席料理にしろ鍋料理にしろ西洋レストランにしろ近代社会の宴会料理は食べ残しが絶対に出る現実がある。
私の場合は私を含めて現場スタッフが食べていた。当然だ。宴席が終わり後片付けを始めると、手を付けられていない食べ残しの多い事多い事。
マグロや甘海老の刺身のから始まり、天ぷら盛り合わせから鮎の塩焼き、アマゴの甘露煮に山菜ご飯。果ては胡麻豆腐に手作りコンニャクに至るまで高級食材がてんこ盛りである。
無論、栓を抜いただけのビールも残っているので、仕事の後は毎日が宴会料理のようなものである。
それでも残る、いわゆる残飯は犬の餌となる。
上記の残飯に加え、冬場はボタン鍋や鴨鍋などの野趣溢れるコースだから飼い犬達はたまらない。
それでも残る残飯はカラスが食べ、微生物が分解し土に環り、結果、跡形もなく自然に戻る。これこそが自然な形の食べ残しの処理ではないだろうか。
もちろん、お客様の食べ残しはお客様が持ち帰り、お客様の責任でご家庭で食べていただくのが一番の理想ではあるが。
ちなみに昔、編集長のAnthonyと少し高級なお店で「サンマの塩焼き」の、あまりの美味しさに、残りの骨で、すまし汁を作りたいから持ち帰りたい旨を伝えると、食べ尽くして猫またぎの骨を快く包んで下さった。
ああ、こちらのお店は本当の意味で高級店だと感じた次第で今回も短稿にて。
以下私事において。
新嘗祭も無事終わり、私の住まいの隣りの田んぼもトラクターによる荒がきを終え、いよいよ今年も田植えの季節がやってきました。
味覚障害や給食について、現在勉強しているのですが、中々自分の中で整理が出来ない中途半端な自分がいます。
しかし、声を大きくしたいのは子供達にもっと日本の米を食べてもらい、それに準じるおかずを通じて自分の国の先祖に感謝し、食べ物に対して手を合わせる教育をしてもらいたいのです。
そうすれば、食べ残しも少なくなるだろうし、妙な食品添加物も駆逐できるだろうと思うこの頃です。
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投稿者: Nao
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