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葡萄酒 (詩)
"葡萄の木の下で" illustration by Asagimadara今年も実ったわたしの葡萄ひとつひとつが時の思い出甘い香りをとき放って夢見ごこちでこの手を伸ばす小さい頃は何も知らずに色付き始めた頃の葡萄を食べた酸っぱさに顔をしかめた篭いっぱい胸いっぱいに葡萄を摘んでかあさんの元へ走る葡萄は瓶に詰められやがてわたしは大人になった恋をしてあなたの唇に触れるまで含まれるまで葡萄酒になるなんて知らなかったわ投稿者:浅葱斑(初出...
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ここにいるよ (詩)
ここにいるよひりひりひりひーどちらにおられますかひりひりひりひー出会うのはいつだろう朝が寒いよもうじき霧がでてお昼には暖かくなるすると景色が変わるんだよいなごが飛ぶよ黄金色の並みの下に緑の色は黄金色に変わったとき月は名月になる秋が進むねススキのほうきが宙を舞うエンマコオロギが大きくなったよ探しているよ 命の行方甘えっこの君はもういないけどそれぞれの胸のなかに生きているたまに怒ったいつも優しかった内...
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土に還しましょう (詩)
土に還してあげましょう 落ち葉も セミも 何かの間違いで道路に落ちた元生き物達は みんな車に轢かれた蛙もカマキリも 全て土に戻してあげましょう 彼らがそのまま舗道に朽ちて茶黒い影を作る前に そうしたら 形ある生きた証が元の原子に帰っていって 次の春には再び 新しい命が 営みが 生まれてくるに違いありませんそのとき 貴方も 私も まだ ここにいて 立ち会えるかどうかはわからないけれど 投稿者...
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シロツメクサ (詩)
"シロツメクサ" Photo by Asagimadara<シロツメクサ>押さなかった頃 花を積んで一等賞を飾ったもので花輪はどこに行ったのかシロツメクサ怪我をした時の止血剤痛くなった時の鎮静作用帰宅して顔を洗ってニキビにいいんだってレンジで乾燥をするって知らなかったのうん まだ10月だから冬越しには間に合いそうです投稿者:浅葱斑(初出:2013/10/10)...
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ご無沙汰です
半年前、地元の何十年かに一度の大イベントの現場責任者を依頼されて、 何事も断らない主義の僕はつい引き受けてしまったのですが、 先週から5日間に渡る本番を迎えました。 僕自身は至って無器用でミスも多く、力量不足であることはわかっていたものの、昔からそういうことを取り仕切る立場にある家柄だったことと、父親が以前にやっていたことが災いして、引き受ける羽目に相成りました。 まあ、一応無事には終わったわけで...
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ガードレールの道筋で (詩)
秋の風が すっと 貴女の髪を通り抜け 僕は今以上に 貴女の事を好きになる貴女の肩を抱きしめ 見上げると秋の空そろそろ歩こうか きんもくせいの香る 一度だけの季節 駅への道を 二人恥かしそうに手をつなぐ 君の左手は とても 小さい 投稿者: Nao(初出:2007/10/10)...
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波 (詩)
あなたのこころがとんでいく砂粒はまだカドがあるけど 柔らかな羽毛に包まれている泡になり 波にもまれ今日は 何枚目の波だろう何枚の波が来れば 地になるのだろう花の咲く地になるのだろうもっと もっと 笑いたかったねずっと ずっと 辛かったろうね投稿者:浅葱斑(初出:2013/10/11)...
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季節に取り残された わたし (詩)
「さようなら」 や 「お元気で」 なんて言わないままに終わってしまう夏暦の上の季節なんてあてにはならない事実にあるリアルな夏が 真実 *八月も終わりに近づくと、日もだいぶ短くなりますね。 何故か取り残された気分になってしまいます。季節に着いてゆけないわたしがいます。投稿者:香蓮(初出:2007/08/27)...
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しゃがみこむと、秋は目の前 (詩)
Photo by Nao何気なくあしもとをみてみると目に見えるのは緑だけ?もっと目をこらしてみてごらん小さいけれど健気な花たちがほらいっぱい咲いているよ耳をすませば遠くからリーンリーンて秋の虫の音が聞こえて来たよそして僕は 大空を仰ぎ見る夏よ 楽しき日々をありがとう *拙い写真ですが、みずひきとヒメジョンと月見草と、、、 ごめんなさい、名も知らぬ花たちです。 投稿者: Nao(初出:2007/09/17)...
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未来 不安 (詩)
わたしは いったいこれからどこへ行くのだろうか・・・どこへと進んでいるのだろうか・・・漠然と 考えてしまう先にあるもの?未来にあるものの? 不安だろうか 投稿者:香蓮(初出:2007/09/26)...
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秋のある日の出来事 (詩)
伯父が死んだ 大工の棟梁として働き続けた伯父が死んだ現役を引退した後も 畑を元気に耕し こよなく畑を愛した伯父が死んだ七十九歳だった子供の頃に いつもプラムキングを採ってくれていた伯父が死んだいつも日焼けして 無口だけど いるだけで 存在感のある伯父が死んだ棺の中の伯父は とても小さくて そして白かったもう二度と動かない 決して話す事の出来 ない伯父の棺に手を添えて車へと運んだ伯父が眠る棺は とても軽...
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にゃお と 白い花 (詩)
"白い花" Photo by Asagimadara会いたかったね 君に話のネタは尽きるほどあって面会時間なんか忘れてしまいそうなそんな気がしたねえちゃん と呼んだのは 君が初めてわたしは君に y を入れてたそうして君を にゃおちゃん と呼んでね猫話に花が咲いたよいつか幸せなストーリを聞きたくてずっと待っていたんだけど君の姿は色褪せないから早く帰りなさいねと他人に気を使うどこまでも優しかった 君よ一輪の白い花は戦士の花こころが...
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副編集長 Nao(故人) を想う
本日、10月2日は当ブログの副編集長 Nao が遺体で発見された日。 → 「訃報 Nao 逝く」[Anthony's CAFE 2012/10/02 ) Naoさんの実兄による報告 死因も亡くなった日も不明なので、遺体発見の日を命日だと僕は思っているのだけれど・・・ あれから、3年、 三回忌。 ブログでは、この夏から秋にかけてNaoさんが晩年力を入れていた詩作にちなんで、Naoさんの作品を中心に詩や短歌・俳句などの文...