Anthony's CAFE 

category: Menu:33 今井政幸のワタスの映画の小部屋  3/3

第十八幕 夕凪の街 桜の国

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爽やかな生命讃歌  映画「夕凪の街 桜の国」 被爆を題材としたこの作品は、「夕凪の街」と「桜の国」との二部構成をとったおかげで、内実が充実しました。 それは、作品のテーマがいまなお続く被爆の被害を扱っているからです。 かつて、原爆を投下したことで、多大な被害が生じました。  「夕凪の街」の舞台は、投下後10年程経ったお話なのですが、運良く生き延びた皆実にも、その魔の手が及ぶことで、放射能の持続的な...

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第十七幕 トランスフォーマー

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 映画史上驚愕の変身シーンに見合っていかない精神性  映画「トランスフォーマー」 日本生まれの、車やヘリコプターなどからロボットに変形する玩具シリーズ「THE TRANSFORMER」から生まれたこの映画の見所は、変身シーンです。 冒頭、カタールのアメリカ軍基地に降り立った、戦闘ヘリペイヴローから変形するブラックアウトが基地を急襲するシーンはただただ圧巻。 生き延びた兵士達に、再び砂地から襲いかかるサソリ型ロボ...

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第十六幕 レミーのおいしいレストラン

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思想は生命力を持っている 映画「レミーのおいしいレストラン」 このアニメでの、なんとも奇妙な存在。それがゴースト・グストーです。 ゴーストと言っても幽霊ではありません。 グストーは、もう亡くなってはいますが、当人は、いくども、ネズミのレミーに、自分は、レミーの空想の産物である、と告げるのです。  レミーの空想の産物とは、レミーの妄想、幻覚、幻影といった類なのでしょうか。 ゴースト・クストーは、レミ...

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第十五幕 魔笛

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いま、求められる叡智 映画「魔笛」 モーツァルトのジングシュピール(歌芝居)「魔笛」の設定舞台を、大胆にも第一次世界大戦前夜に移しかえたこの映画のメッセージショットが、幾百千万もの墓碑が立ち並ぶシーンです。  世界各国の文字によって、死者の名と享年が刻み込まれた墓碑は、ザラストロが歌うアリアと和して、わたしたちに死をもたらす諍いへの悲しみと憤りを誘います。 あまりにも有名なモーツァルトの「魔笛」の...

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第十四幕 ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団

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 一人はみんなのために、みんなは一人のために 映画「ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団」 この映画の象徴的なシーンは、冒頭、ハリーを連れ出しにきた不死鳥の騎士団とハリーが箒にまたがって飛ぶ場面です。 ハリーは直前、家の近くで吸魂鬼に襲われたというのに、まるで、ロンドンの観光名所を物見遊山するかのように、たわむれてテムズ川をみなで一緒に飛んでいる、あのなんとも場違いなシーンです。今回は、ハリーが孤立す...

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第十三幕 シュレック3

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ブルータスとアントニー 映画「シュレック3」 の急変を知った急遽シュレック達はマーリンの魔術にすがって帰ることに。 ところがマーリンの魔術がおぼつかない。帰るには帰れたけれど、ドンキーの心と体が長靴をはいた猫と入れ替わってしまう。 この入れ替わりが今回の映画のポイントです。 さて、今回の物語は、王様の跡継ぎ問題。 チャーミング王子は、場末の芝居小屋で、観客から馬鹿にされながらも、王位に就く夢を追い...

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第十二幕 ダイハード4.0

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解読コードはアルマゲドン 映画「ダイハード4.0」  今回のお話はサイバーテロ。名うてのハッカー達に組ませたプログラムを駆使して、全米の、交通、通信、金融、電気、ガスなどあらゆるシステムをダウンさせ、自在に操る「投げ売り」を企むガブリエルがお相手です。 ガブリエル一味は、秘密保持のため、ハッカー達が依頼の仕事を仕上げるやいなや、即座に、ハッカー達を抹殺にかかるのですが、ガブリエルの仕掛けた異変に気...

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第十一幕 ゾディアック

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恐怖の向こう側 映画「ゾディアック」 この映画で出色な凝縮した場面は、キャスリーン・ジョンズがゾディアックに襲われた後のシーンでしょう。 10ヶ月の赤ん坊と共に、親切さに騙されて乗せられた、走ってる車から放り出される。 救いを求めるために車道でトラックを止めたものの、近づいてくる人が自分を助けてくれる人なのか、襲う人なのか判別つかない。 キャスリーンは、ただ、言葉にならない言葉を発して喚くだけ。 「...

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第十幕 300

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爆裂するポップ・アート 映画「300」 エンディングロールタイトルに飛び散る赤い飛沫。 デフォルメされたイメージが持つ奇妙な実在感。 原作のグラフィック・ノベルが誌面から実写に置き換えられたとき、われわれが受けるショッキングな感覚、感情、これがこの映画の生命です。 かつて、本当にあった史実をもとに、果敢に300人の少数でペルシャの大軍に立ち向かったスパルタの王と兵士たちの物語は、しかし、当時、して...

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第九幕 そのときは彼によろしく

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 ファンタジーを突き抜けてしまったすぐれもの 映画「そのときは彼によろしく」 冒頭、雪が舞う夜。一回りしてきて、店に戻ってきた遠山智史に、突然、アクアプランツの店「トラッシュ」のバイトを申し出た森川鈴音(=滝川花梨)は幼なじみだった。  ところが、忘れようにも忘れるはずがない花梨に智史はそれとは気付かない。 物語が進むにつれて、二人の関係が徐々に明らかになる段取りとはいえ、不自然すぎるほどのこの設...

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第八幕 ザ・シューター 極大射程

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まっとう正統やくざ映画 「ザ・シューター 極大射程」 ラストシーン、スワガーの車が、平原の、センターラインが一本引かれただけの、どこにでもあるような、まっすぐ延びた、ありふれた道路を駆け抜けて行く。 ただ、ありふれてないのは、車が、センターラインをまたいで、道路のど真ん中を走り抜けて行ったこと。 ここが、この映画のすべてを物語る象徴的なショットです。 一流の腕を持ちながらとあることから引退した狙撃...

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第七幕 パイレーツ・オブ・カリビアン ワールド・エンド

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ゆれる分裂の狭間に「パイレーツ・オブ・カリビアン ワールド・エンド」 なんとも珍妙なシーンがこの映画に現れる。 「デッドマンズ・チェスト」の最後、怪物フラーケンに食べられ、死んではいない、ジャック・スパロウが送られた「デイヴィ・ジョーンズ・ロッカー」での船上のシーン。 船上には、幾人ものジャック・スパロウ現れ、スパロウで満ちあふれ、最後には諍いも。  この幾人ものジャック・スパロウがあらわれるのは...

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第六幕 神童

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失われた父性を求めて 映画「神童」 冒頭、ボートの中で寝ころんでる和音(松山ケンイチ)に声がかかる。 うた(成海璃子)からだ。 いたずらっ子に奪われた人形を捜してるから、ボートに乗せろという。 しぶしぶ乗せたうたに言われるがまま和音がボートを漕ぐと、行く手に池に捨てられた人形が見つかる。 人形を掬い上げようとしたうたは勢いあまって池の中に、・・・。 直後、うたが、いたずらっ子にまたまた人形を奪われ...

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第五幕 バベル

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隔絶の先に・・・  映画「バベル」 4つの物語が語られるこの映画のポイント部分を抜き出してみよう。・日本:菊地凜子演じるチエコが敢然とディスコを後にするシーン。・モロッコ:弟ユセフが銃をたたき壊すシーン。・モロッコ:リチャード役のブラッド・ピットが病院から、アメリカの自宅への電話で、息子マイクとの会話中に泣き崩れるシーン。 ・メキシコ:アメリア役のアドリアナ・バラッザが、「いいえ、わたしは悪い人間...

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第四幕 スパイダーマン3

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「スパイダーマン3」は「マスク」のパロディだわね。 それが身につくと、パワーが増し、怒りや憎しみや、抑制心がなくなって思う存分やりたい放題。 ブラックスーツ身につけたら、気持ちはるんるん、女の子にももて放題、とくればこりゃ、あの「マスク」のパロディってことでしょう。 今回登場のサンドマン、ブラック液体生命体、コミック原作に登場するキャラクターが映画に使われているのですが、だから、そのキャラたちが自...

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第三幕 ハンニバル・ライジング

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核心を避けた、映画「ハンニバル・ライジング」 ハンニバルの誕生秘話を描いた映画「ハンニバル・ライジング」は、ハンニバルの殺人癖を復讐によって説明したため、ついぞ、ハンニバルの卓越した心理分析能力の源泉をわたしたちに明かさなかった。 美しい復讐劇は、だから、美的に詩的に、彼の精神形成育成の日本文化をより幻想的に感性的に描写することとなり、実際とかけ離れてしまった日本文化の描き方はわたしたち日本人を戸...

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第二幕 ブラッド・ダイアモンド

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燦然と輝く三位一体  映画「ブラッド・ダイアモンド」 乱暴にアフリカ音楽を分解すれば、しっかと確かにリズムを刻むパーカッション、歌を奏でるリードヴォーカル、それに全体で和す合唱、といった3つのパートに区分けできるだろうか。  アフリカ音楽が印象に残る、映画「ブラッド・ダイアモンド(血のダイアモンド)」はシエラレオネ紛争を背景に、紛争ダイアモンドをめぐる物語が主要登場人物3人の視点で展開する。 しか...

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第一幕 ホリデイ

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元気になれる映画「ホリデイ」が、とってもいい! 夫や恋人から裏切られて互いに心に深い傷を負った女性二人が、心を癒す遠出の旅行代りにロサンジェルスとイギリスの田舎の家を互いにチェンジ! おかげでいきなり心惹かれるひょんな出会いが始まることに。  そんなことって絶対あるはずもないというあなた。野暮です。これは映画ではのお話なのです。 心惹かれながらも初対面同士。手さぐり状態で交わす会話がおしゃれ。  ...

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